心肺蘇生法の手順

   02’6/1,兵庫県加西市消防本部にて開かれた「心肺蘇生の手順」の講習に参加をして,
如何に緊急時に,救急車が到着するまでの間に,救命処置を施すか否かによって傷病者の
救命率に大きな差がある事を知りました。

          ・心臓停止後,約3分で50%死亡
         ・呼吸停止後,約10分で50%死亡
         ・多量出血後,約30分で50%死亡

 重篤状態にある傷病者にとって,

          ・早い通報    : 落ち着いて,はっきりと119番に通報する。
         ・早い応急手当 : 救急車の到着前に心肺蘇生法等の応急手当を行う。
         ・早い救急処置 : 救急救命士等の行う除細動等の高度な応急処置
         ・早い医療処置 : 医療機関における医療処置


  これらの多くの人達による協力により連携された応急処置によって,多くの尊い命が救われるのです。

1,意識を調べる。(8歳以上の場合)
傷病者に近づき,その耳元で「だいじょうぶですか?」と声を掛けながら,
傷病者の肩を軽く叩き,反応の有無を調べる。

  ・声掛けなどに対して目を開けたり,何らかの反応があれば「意識あり」
    何も反応が無ければ「意識なし」と判断する。
  ・交通事故などで,頭・首に怪我がある時,もしくはその疑いがある時は,
    体を揺すったり首を動かしてはならない。
  ・意識があれば,傷病者の言葉を聞き,必要な応急処置を施す。
2,助けを呼ぶ。
傷病者に意識が無ければ大きな声で「誰か救急車を呼んで」と助けを呼ぶ。

   ・協力者が来たら,119番へ通報し救急車を要請してもらう。
   ・協力者が誰もいない場合は,まず119番通報をする。 
3,気道の確保(空気が鼻や口から肺に達するまでの通路を開く)
片手を額に当て,もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先(おとがい部)
に当て,これを持ち上げ,気道を確保する。
        (前頭部後屈あご先挙上法)

    ・指で下顎の柔らかい部分を圧迫してはならない。
    ・頭を無理に後ろに反らせない。

    ・首の怪我が疑われる場合は,両手で下顎のみ引き上げる。
        (下顎挙上法)
4,呼吸を調べる。
気道を確保した状態で,自分の顔を傷病者の胸部側に向ける。
頬を傷病者の口・鼻に近づけ,呼吸の音を確認すると共に,自分の頬に
傷病者の吐く息を感じる。傷病者の胸腹部を注視し,胸や腹部の上下の
動きを見る。10秒以内で確認する。

    ・頬は出来るだけ傷病者の口・鼻に近づける。
    ・呼吸音も聞こえず,吐く息も感じられず,胸腹部の動きが無かったり
        それらが不十分な時は「呼吸なし」と判断する。
   ※ 回復体位 ; 意識は無くても十分な呼吸をしている場合は,吐物等による窒息を防ぐ為に,
                傷病者にを回復体位にするのが良い。
               下顎を前に出し,両肘を曲げ上側の膝を約80度曲げて,傷病者が後ろに倒れるのを防ぐ。
5,人工呼吸(口対口人工呼吸により,肺に空気を送り込む)
呼吸が無ければ人工呼吸を開始する。
気道を確保したまま,額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまむ。
口を大きく開けて傷病者の口を覆い,空気が漏れないようにして,
息を2回ゆっくりと吹き込む。

     ・約2秒をかけて500ml〜800ml(10ml/体重1kg)吹き込む
     ・胸の動きと呼気確認する。
     ・鼻の摘み方・気道の確保が悪いと肺に空気が入らない。
 ※ 口対口人工呼吸について :  
      ・ゆっくりと約2秒掛けて2回吹き込む。
      ・吹き込む量は,傷病者の胸が軽く膨らむ程度
          (500ml〜800ml(10ml/体重1kg))とする。
      ・吹き込んだ時にスムーズに吹き込みが出来なかった場合は,もう一度首を戻して,
            気道確保をやり直し,息を吹き込む。
      ・どうしても口対口人工呼吸する事に抵抗のある時は,ハンカチを傷病者の口に置いて行っても良い。
           また,携帯できる簡易型の人工呼吸用マスク(一方向弁付呼気吹き込み用具)を
              持っていると便利である。
      ・傷病者に傷や出血があって人工呼吸が出来ない場合,また救助者の口の周り,皮膚に
            傷がある場合は,口対口の人工呼吸を行わないで,心臓マッサージのみを行っても良い。
6,循環のサインを調べる。(心臓の拍動の状態を調べる。
  ・呼吸をしているか(眼で胸の動きを見たり,呼吸の音を聞く)
  ・咳をしているか。
  ・体に何らかの動きがみられるか。  
     循環のサインは10秒以内に調べる。

これらの兆候がなかったり,明らかでない時は,「循環のサインなし」と
判断し,直ちに心臓マッサージを開始する。
兆候の何れかが見られた時は「循環のサイン」があり,心停止でないと判断する。
7,心臓マッサージ(胸骨圧迫心臓マッサージにより,酸素の含まれた血液を循環させる)
脈拍がなければ心肺蘇生を直ちに行う。気道を確保し人口呼吸を2回行う。
 15回の心臓マッサージと2回の人口呼吸を繰り返す。

心臓マッサージを行うには肘をまっすぐにして垂直に体重をかけ胸骨が
3.5〜5cm下方に圧迫されるように1分間100回の速さで行う。

  心臓蘇生法を4回繰り返した後循環サインを調べる,
       循環サインがなければ心肺蘇生を継続する。
    ※心肺蘇生法の実施(心臓マッサージ15回と人工呼吸2回の組み合わせを継続する)
 
       ・15回の心臓マッサージと,2回の人工呼吸のサイクル(15:2)を繰り返す。
       ・人工呼吸は1回の吹き込み時間に2秒かけて,5秒に1回の速さで行う。
       ・最初に,心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを4サイクル行った後に
           循環のサイン有無を10秒以内に調べる。その後は心臓マッサージ15回と
           人工呼吸2回のサイクルを繰り返し,2〜3分毎に,循環のサインの有無を10秒以内に行う。
    ※ 心臓マッサージする圧迫位置
手の人差指と中指で傷病者の
肋骨縁に沿っていき両方の
肋骨縁が交わる場所(切痕)まで
指を移動させる。
さらに中指を肋骨縁が
交わる場所(切痕)まで
進めると、人差指は胸骨上
に置かれた状態になる。
人差指のすぐ上の胸骨
上の部分が正しい圧迫
位置となる。
圧迫部位に手掌基部を
重ねて置く。
心臓マッサージを行うには肘を真直ぐにして垂直に体重をかけ胸骨が3.5〜5cm下方に圧迫されるように1分間100回の速さで行う。
     1,救急車が到着するまで,これを繰り返し継続をする。
     2,途中で循環のサインが見られたら,
          ・呼吸が不十分であれば,人工呼吸のみを続ける。
          ・呼吸が十分見られた場合には,気道を確保しながら回復体位にする。

         文章は,東京法令出版「応急手当講習テキスト」から転用
  写真は,兵庫県加西市消防本部よりの転用


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