☆呼吸器系の腫瘍 
    呼吸器系の腫瘍としては、
   1.鼻腔ならびに副鼻腔の腫瘍,
   2.喉頭の腫瘍,
   3.気管,気管支の腫瘍,
   4.肺腫瘍         
 に、分けることができる。@鼻腔・副鼻腔の腫瘍は全腫瘍の1〜2%といわれ、A喉頭腫瘍や
B気管・気管支腫瘍はごくまれである。 また、C肺腫瘍は原発性のものはごくまれで、多くは転移性の
腫瘍であるといわれている。いずれの場合もヒトのように初期の段階で発見されることは少なく、
かなり進行した時点での診断となる。
   ◇種類
   1.鼻腔ならびに副鼻腔の腫瘍:良性のポリープ,悪性の腺癌,扁平上皮癌,繊維肉腫,
   2.喉頭の腫瘍:腺腫,腺癌,骨肉腫,血管肉腫,肥満細胞腫,リンパ肉腫,
   3.気管・気管支の腫瘍:気管骨軟骨腫,骨肉腫,扁平上皮癌,気管支腺癌,
 

   4.肺の腫瘍:原発性細気管支由来の癌腫,間葉性由来の腫瘍
       (繊維肉腫,軟骨腫,脂肪腫,血管肉腫など)
    ◇主な症状
  1.鼻腔ならびに副鼻腔野腫瘍:膿性-血様性鼻汁,いびき,クシャミ,眼球突出,など
       顔面部の変形,呼吸困難
  2.喉頭の腫瘍:呼吸困難,嚥下困難,変声,喘鳴
  3.気管・気管支の腫瘍:咳嗽,喀血,呼吸困難,喘鳴,チアノーゼ,嘔気
  4.肺腫瘍:咳嗽,呼吸困難,削瘻,喀血,チアノーゼ
 
     ☆胸腔の腫瘍
  胸腔の腫瘍には、@縦隔洞の腫瘍とA胸膜の腫瘍がある。いずれも原発性ならびに転移性の
腫瘍が発生する。   
   ◇種類  それぞれ腫瘍の種類としては、、以下のものが報告されている。
   1.縦隔洞の腫瘍:原発性:悪性リンパ腫,胸腺腫,甲状腺腫,上皮小体腺腫,脂肪腫,転移性:肺,
        胸膜,心臓血管系など隣接の臓器から直接蔓延したもの、すなわち細気管支由来の癌腫,
           間葉性由来の腫瘍-繊維肉腫,軟骨脂肪腫,血管肉腫など。
   2.胸膜の腫瘍:原発性:中皮腫,転移性:肺腫瘍,黒色腫,血管腫,
    ◇主な症状
   1.縦隔洞の腫瘍:縦隔洞という狭い空間が占拠されるため、洞内の臓器が直接圧迫され、
        これによってさまざまな症状が現れる。すなわち胸管が侵されれば乳糜胸を発生することになる。
         前大静脈や後大静脈が圧迫されれば頸部,頭部,縦隔部などに浮腫が認められる。
          食道の圧迫では嚥下困難や吐出,嘔気などが現れる。気道の圧迫では咳嗽や喘鳴などの
               呼吸症状が認められる。
  2.胸膜の腫瘍:胸腔内に漿液血液性の滲出液を認め、水胸としての症状を現すことになる。       
 
 
 
                       犬の診療最前線・interzoo より   

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