☆下垂体機能低下症・下垂体性矮小症
  下垂体機能低下症は1種ないし全部の下垂体ホルモンの低下による。下垂体ホルモンの分泌低下は
下垂体自身の障害によって起こるが,上位の視床下部およびそれらの連絡路の障害によっても起こる。
成犬に発現する下垂体機能低下のほとんどは原発性下垂体腫瘍であるといわれている。幼犬の場合,
下垂体機能低下のために成長ホルモンの欠乏が起こり発育が阻害される疫病が多いが,
これを下垂体矮小症という。
   ◇原因
1,下垂体原発
  1)腫瘍性
  2)嚢胞性
  3)特発性
2,下垂体性矮小症
  成長因子,成長依存因子,甲状腺ホルモン欠如                                   
     
     ☆尿崩症 
  抗利尿ホルモン(アルギニン・バソプレシン:ADH)の産生あるいは分泌が障害され,
そのために腎集合管における水の再吸収が障害されて多尿となった状態を尿崩症という。
視床下部−下垂体系に異状はないがADH分泌障害がみられる。一次性尿崩症と,
視床下部−下垂体系の器質性病変のために起こる二次性あるいは症候性尿崩症に分類される。
後者はADH分泌障害以外に内分泌異状や神経症状を伴う。
  ◇原因
1,一次性尿崩症
 1)先天的にアルギニンバソプレシンに不応答の場合
 2)遠位尿細管および集合管が損なわれている場合
 3)代謝性異状
 4)特発性
2,二次性尿崩症
 1)奇形
 2)感染
 3)事故あるいは手術などによる障害
 4)腫瘍 
 
      ☆上皮小体機能亢進症
  一次性上皮小体機能亢進症は上皮小体が過剰な上皮小体ホルモン(PTH)を分泌して起こる代謝障害で,
臨床的には高カルシウム血症を呈する。
   ◇原因
 1)孤立性腺腫(最も多い)
 2)腺癌
 
    ☆栄養性二次性上皮小体機能亢進症
  栄養性二次性上皮小体機能亢進症は栄養の不均衡によるミネラルのホメオスターシスの乱れが原因で
発生する骨格疾患である。ほとんどが成長期に起こる。
  ◇原因
 主としてカルシウムが著しく不足しているか,あるいはカルシウムより多量のリンを含む食物を与えている
ために起こる。低カルシウム血症となり,上皮小体が刺激され機能が亢進する。子犬での原因は肉と内蔵が
多い食物を給与されていることによる。
 
    ◇上皮小体機能低下症
  上皮小体機能低下症は上皮小体ホルモン(PTH)の分泌が低下あるいは欠如する事によって起こる
代謝障害で,臨床的には低カルシウム血症と神経筋症状が主症状である。
  ◇原因
 1,特発性上皮小体機能低下症
    免疫介在性リンパ球性上皮小体炎:小型犬の成熟した雌に最も多いといわれている。
 2,他の原因:上皮小体発育不全,ジステンバーウィルス感染,低マグネシウム血症,アミノ配糖体中毒
 3,頸部手術などにより,上皮小体に物理的に障害が加わった時
 
          犬の診療最前線・interzoo より 

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