アレルギー性皮膚炎は遺伝的素因が関与しており,掻痒が主な特徴とする慢性皮膚疾患です。
IgE(皮膚感作抗体,レアギン抗体)が異常に産生される事により,これを媒介として皮膚に
発生する過敏症状で,アトピー性皮膚炎ともいう。

  特徴的な症状としては,
    1,掻痒
    2,再三にわたる定型症状の再発
    3,慢性的経過をたどる
    4,ステロイド治療にて治癒するが再発する
    5,季節的なものでは一定の季節に再発する

  アレルギー性の分類は,
    1,食餌性アレルギー性皮膚炎 : アレルゲンとなる食餌を食べる事により発症する。
                          主としてたんぱく質成分に原因がある。
    2,吸引性(アトピー性)皮膚炎 : 遺伝的素因として免疫グロブリンE(IgE)抗体が
                         産出されやすい犬に多く発症する。
       (ハウスダスト・花粉・ダニ・真菌などがアレルゲンとなりこれらを吸引する事により発症する。)
    3,アレルギー性接触性皮膚炎 : 生活環境中のあらゆる物質がアレルゲンとなり得る。
    4,注入性アレルギー性皮膚炎 : 注射薬物,昆虫の刺咬などによってアレルギーを発症する。
    5,外部,内部寄生虫,真菌,細菌,ウィルスなどの感染性病原体などからもアレルギーを起こして発症
する。これらのアレルゲンと接触する事により抗原は組織のマクロファージにより処理されてヘルパーTリンパ球
の補助によりBリンパ球に提示された後,B細胞は抗原特異的IgE抗体と記憶細胞を産生。IgE抗体は,組織の
肥満細胞と好塩基球に付着する。再度アレルゲンに接触した時,抗原は表面のIgE分子と結合し,2個のIgE抗体
が架橋事により,肥満細胞の脱顆粒と前もって形成されている炎症伝達因子の放出及びアラキドン酸カスケード
への刺激が起こる。形成されていた物質とアラキドン酸由来の炎症伝達因子(ロイコトリエン・プロスタグランジン・
過酸化脂肪酸)が共同作用する事により炎症(紅斑,浮腫,掻痒)が発現してくる。発症年齢は1〜3歳頃に多く
発症する。

〔I 型アレルギー〕 IgE抗体が関与する反応。

〔II型アレルギー〕 細胞傷害型の反応。

〔III型アレルギー〕 免疫複合体と補体が関与する反応。

〔IV型アレルギー〕 抗原により感作されたTリンパ球(T細胞)による反応。


     参考文献  サウンダース小動物臨床manual        文永堂
                 イラストでみる 犬の病気       講談社
                       犬の診療最前線     interzoo
                            犬の臨床    Dairyman  

inserted by FC2 system