☆流涎症  
  唾液の過剰な分泌を流涎症という。唾液の過剰な分泌を伴わず,口腔内に溜まった唾液が流れ落ちる
ことを偽流涎症という。脳幹にある唾液核は、舌や口腔内の他の領域の味覚や触覚の刺激により興奮する。
中枢神経系のより高次な中枢もまた唾液核に刺激を伝達する。唾液核が刺激されたとき、唾液分泌が増加する。
したがって、中枢神経系に影響を及ぼす疾患や,口腔内の病変は唾液分泌を刺激する。また、咽頭や食道の
疾患もまた唾液分泌を刺激する。炎症を起こした胃の粘膜も、反射的に唾液分泌を刺激する。過剰に分泌された
唾液は、それが飲み込まれてしまうならば臨床的には明らかにならない。その場合、主な臨床症状は、
過剰な嚥下であることがある。泡状の唾液が繰り返し飲み込まれると胃内にガスが貯留し、おくびが増える
ことになる。また、唾液分泌が正常であってもも口唇の解剖学的異常や嚥下困難がある場合には、
唾液が口から流れ落ちることになる。
   ◇原因
   1.原発性の嶐縁症.
   2.中毒症
     1)有機リン中毒
     2)重金属中毒
     3)カフェイン中毒
     4)ホウ酸中毒
   3.ウィルス疾患
     1)ジステンバー
     2)狂犬病
   4.口腔内の異常
     1)口内炎
       a)刺激物
       b)異物
       c)外傷
       d)免疫介在性疾患(尋常性天疱瘡)
       e)毒(タリウム)
       f)免疫性(好中球減少症)
       g)栄養不足
       h)歯根膜疾患
       i)代謝性疾患(尿毒症)
    2)腫瘍
       a)腫瘍
       b)好酸球性肉芽腫
       c)肉芽腫性病巣
    3)舌炎
      a)外傷(化学的刺激物)
      b)代謝性疾患(尿毒症)
      c)免疫介在性疾患(尋常性天疱瘡)
   5.唾液腺炎
   6.脳神経疾患
      1)舌咽神経(第IX脳神経)の病変
      2)迷走神経(第]脳神経)の病変
      3)舌下神経(第XU脳神経)の病変
      4)顔面神経(第VU脳神経)麻痺
      5)三叉神経(第X脳神経)麻痺 
   7.肝性脳症
      1)肝不全
      2)門脈大静脈シャント
   8.食道疾患
      1)巨大食道症
      2)逆流性食道炎
      3)食道内異物
   9.口唇の先天性異常 
   10.リンパ節腫大
   11.投薬
     1)コリン作動薬
     2)抗コリンエステラーゼ(ピリドスチグミン)
     3)コリンエステラーゼ阻害薬を含む殺虫剤(有機リン剤,カーバメイト)
     4)ピレスリン,ピレスロイド系殺虫剤
     5)イベルメクチン
   12.筋疾患
      1)筋炎
   13.外気温の上昇
    14.吐き気を伴う他の疾患     
 
 
         犬の診療最前線・interzoo より                                  
 
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