薬物を治療の目的に使用する場合、その薬物の主作用のほかに通常いくつかの副作用を現す。
治療上不要なあるいは 有害な場合もあり、特に多くの薬物が肝臓に障害を与える事が知られている。
経口的に投与された薬物は胃あるいは腸管から吸収された後、門脈を経て肝臓に到達する。薬物が
肝臓組織に対し毒性を有する場合、あるいはなくても、肝臓で代謝された後の代謝産物に毒性がある場合
には肝障害を引き起こすことがある。肝臓の組織の再生能力は非常に高く、薬物による害に対しても機能
を損なわない様に働いている。このように大きな機能容量を持つ肝臓が障害され臨床上の疾患を示すとき
には肝障害はかなり進行した状態にあると考えるべきである。いかなる薬物であれ推奨される用量の投薬
であっても長時間の連用では注意が必要である。また、飼い主が投薬する場合は過誤による場合が
少なくない。薬物による肝疾患の臨床症状は血清トランスアミナーゼやアルカリ性ホスファターゼの上昇
するものの無症状のものから急性の劇症肝炎に至るものまで多様である。一般に急性の障害では細胞障害
(変性,壊死,脂肪症)か胆汁分泌障害あるいは両者複合型である。慢性では脂肪化,線維化,肝硬変など
である。薬物治療を受けていて、肝酵素検査で血清トランスアミラーゼやアルカリ性ホスファタ-ゼの上昇,
肝腫大,黄疸などがみられるときには、薬物の副作用を考慮しなければならず、肝機能検査あるいは必要
であれば生検を行い肝障害の評価を行う。薬物が原因の肝障害の治療はまず投薬を中止しそれ以上の障害
の拡大を防ぐ事が大切である。そして、水分,電解質,酸塩基平衡の維持などの支持療法を行い、肝性脳症,
凝固障害,血糖症などを 防ぐことが重要である。しかし、薬物起因性の肝障害の多くは、不適切な投薬や
長期間にわたる連用に原因があることが多 く、薬物を用いる場合には常に副作用について考慮し、
未然に防止しなければならない。  
        
     (犬の診療最前線・Interzooより )
 
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   上記にしるされているように、ステロイドに限らず、薬全般において
  信頼できる獣医師からの正しい処方によらなければならぬと思っています。 

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