◇ タツとの出会い 
  タツと初めて出会ったのは掛かり付けの動物病院,Sarubia が現在の動物病院にお世話になるようになった
のは,95’/1阪神淡路大震災の直後,2月頃に初めて伺ったのだろうか。それから数ヵ月後,獣医師,看護士の
お姉さん達が散歩をさせているタツを見かけるようになった。初めは何とも感じなかったけれどその後,数回
出会いを重ねるに連れて,徐々に私の好奇心がタツに注がれるようになって来た。私の関心を一番惹き
つけたのは,タツの澄んだ瞳。でも,散歩をしている姿は小柄な獣医師がタツに引き摺られているように見える。
その度にお節介なSarubia犬に引き摺られない方法なんてでしゃばったりして,,,。
 獣医師と何度も話をするに連れてタツが神戸の震災犬である事。里親探しに苦慮している事などを伺った。
それを聞いて家に引き取ってあげたい。しかし,すでに8頭も犬の居る我が家では経済状態が許さない。
更に隆さんの許可が降りる筈もない。ここは自分を「ぐっ」と抑えて適当に話をあわせる事にした。 
ところがある日,散歩から帰って来たタツのリードがどういう訳か暫く私の手の中に握られる事になった。
ほんの数分間だったけれど,タツと話をした。タツはとても素直な仔たった。瞳がとても澄んで綺麗だった。
キラキラとしていた。瞳が美しいと言う事は心が綺麗。心に濁りがないという事なのです。私の心はきっと,
この時にタツを引き取ろうと潜在的に決めていたのだと思う。後日,Sarubia は院長にタツを引き取る事を
申し出ました。院長はすでに多くの犬が居る事を気の毒に思って躊躇されましたが,Sarubia は,タツが
去勢手術をされているのを確認して引き取りました。
タツが躾をまったくされていない(院長の話では,飼い主がとても忙しい人であり,玄関の横に繋がれて散歩も
碌にして貰っていなかった。)ので,Sarubia の矯正は厳しい事。又,15歳の時の交通事故が元で足が不自由な
為に,もし,タツの矯正が成功しなかった場合は,Sarubia が世話をし続ける事は困難である事を説明して,
その時はタツを引き取っていただく事をお願いしてタツが最終的に我が家の一員となりました。

        ◇ タツの克服 T
  タツの一番困る事は,散歩中に力一杯に引っ張る事。これは困ります。そこで家の仔達と別menu;の散歩で
        ・リードを少し緩むほどの短さに持って,タツをSarubia の右に立たせて歩く。
        ・直ぐに力任せに進むので,その場で立ち止まり,「待て」をさせる。
        ・暫く「待て」の姿勢をさせてから,又,歩き出す。
        ・即,引っ張るので「待て」そして歩き出す。
   タツは心が素直な分聞き分けが良いので,一週間もすれば,Sarubia が何を言いたいのか,何をさせたい
のか理解を出来るようになりました。そこで他の仔達と一緒にタツのリードを右手に,他の仔達を左手に持って,
散歩に出かけるようになりました。が,Sarubia の言う事を理解する事と教えた事が身に付くのとはまた別であり,
犬舎を出るとどうしても心が逸るのでリードを引っ張ってしまいます。その時はSarubia の両手が塞がっているので,
「タツ!!」と,いう言葉と同時にSarubia の足がタツの足を蹴っ飛ばしています。初めはタツもビックリして直ぐに
立ち止まっていたのですが何せ心が素直で理解力がよいと言う事は,観察力もよく,数日もするとSarubia の
持つリードを通してSarubia の心が伝わるようになりました。
  そして,数ヵ月後には全員で散歩に出かけても困るような事は,取り敢えずなくなりました。

           ◇ タツの克服 U
   タツの元々の性格なのか,震災の後遺症なのだろうか。寒さだけで起きるのではない。雨降りだけで起きる
のでもない。とにかく天候が悪くなるとパニックを起こすのだ。そしてその恐怖から逃れようと暴れる。というより
タツにしてみれば安全な場所を探していただけなのだろう,,,,。
  その度に周囲が破壊されてタツは移動される事になり,新しい場所によって又,タツの恐怖が引き起こされ,,。
どうすればタツの恐怖を取り除いてやる事が出来るのだろう。家が破壊されない場所。タツがパニックを起こさない
場所。 試行錯誤でタツの場所を移動して数年が経過。
  98’頃の事,玄関の中にケージを置き,その中をタツの居場所とした。タツがその場所を寝床にして暫くは,
天候によってやはりパニックを起こした。そして,,,,。ケージも一ヶ所壊れた。でも,冷静になるのも早かった。
このままで暫く様子をみてみよう。ん〜,,,タツが玄関を寝場所にするのに問題が発生。タツはトイレの辛抱を
しないのだ。これには困った。何しろ臭いがきつい。これさえなければ,みんなと一緒の空間で生活が出来るのに。
致し方ない。タツの為に工夫しよう。ケージの横に新聞紙。底にも新聞紙。床にも新聞紙。。。。。
  暫くするとタツは本当にその場所で落ち着く事が出来るようになった。天候が悪くなっても,,,とにかくパニック
を起こさなくなった。落ち着く事が出来るようになった。良かった!!これで良かった!!排尿に関しては眼を瞑ろう。 
排尿の時間は大体予想出来るので早くに片付ければいい。そうすれば然程の臭いも残らないだろう。しかし,
全部の恐怖を克服出来た訳ではなかった。取り敢えずは玄関という事で 犬好きの薫の友達,隆さんなどが通る
度に撫でてくれる。話し掛けてくれる。それはタツにとってとても幸せな事だけれど,真冬になると毎年一度は
数センチから数十センチの雪が積もる。その雪,屋根の上に積もった雪が落ちてくる時の雪の音。
振動がこれまたすごい!!タツもこの時ばかりは恐怖に慄き,暴れ,失禁をしてしまう。その臭いたるや
溜まらぬ臭い。でも,,,年に一度の事だし,,,,。
  今年01’5より,タツの居場所を縁側と続きの外に移動した。前回の時はサークルを二段重ねにしたちゃちな
柵だったのでタツに簡単に壊されてしまったけれど,今回はカチュアの脱走,交通事故がきっかけで頑丈な柵
なのでこれなら,大丈夫。柵のの中に繋いだ。心配なのは又, Sheltie 達に「ガウガウ」されないかという
事だけ。ん〜,,,その心配は無用だったけれど,やはり天候が悪くなると駄目だ。
  どうしたものか。リード・首輪を外してみよう。タツは柵の中を自由に歩けるようになった。Sheltie 達も特に
苛めたりする様子はなさそうだ。暫くはこれで様子をみてみよう。それから一ヶ月のある朝,縁側を開けて見ると,
タツが縁側に上がって寝ている。眼があうと慌てて下へ降りていった。何といじらしい。そんな事を繰り返した
01’5/23,Sarubia がPCに向かっていた真夜中,日付が変わる頃,とても大きな雷が鳴った。きっと,
タツは外を走り回っているのだろう。必死に恐怖に耐えて,恐怖と戦い,雷が鳴り終わるのを待っているのだろう。。。
と,心の中で思いながらも,全く何の物音もしないので,タツを見に行こうともしないでPCに向かっていた。
2時頃片付けて寝ようと立ち上がった時に眼に飛び込んで来たのが,タツの姿,部屋に入って直ぐの障子の側の
スポンジの敷物の上でリラックスして,何年も前から其処に居たように落ち着いているタツの姿が,Sarubia の
眼に飛び込んで来た。思わず微笑んでしまった。だって,本当に何年も前からその場所がタツの寝床だった
ような姿で寛いでいるのだもの。なにわともあれ,雷の音,花火の大きな音に対して怖がることなく落ち着きを見せる事
が出来て,良かった。それは誰でも愛するものの側が一番良いという事の証だろうか。皆と共に居るという事が
タツをこれほどに落ち着かせたのだろうか。
   私はしめしめと思い,前から一度試してみたかった事を実行に移した。それは11km離れた掛かり付けの
動物病院へ50ccバイクでタツと共に,移動する事。実行は01’5/26,他の仔と同じように抱っこするおい紐で
胸に抱いて,タツと共に出発をした。まず初日だから耐えられるとしても時速2〜30kmのスピードだろう。
ソロリソロリと行かなければならないと思っていた。さぁ〜出発だぁ,,,。
   あれ?暴れないぞ? 怖がらないぞ? 緊張もしていないぞ?  しめしめ,スピードをあげてみよう。
結果分かった事は時速50kmまでは,平気。5〜60kmはやや緊張。60km以上になると「やめてくれぇぇぇぇ」と
いう意思表示。惜しかったね。でも,恐怖心の強いタツがここまで耐えたのだ200満点だ。後は,冬場の雪を
どのように乗り越えるか,,,だね。

         ◇  タツの克服 V
   50シーシーバイクでタツと2人乗りで福崎の動物病院まで行ったその日,Sarubia はまたまた気を良くして
その夜に皆が歯磨きを終わった最後にタツを呼んで歯磨きをした。「オッ!!」「すごい!!」タツが電動歯ブラシで
歯磨きが出来た。 
 すごいよ,,,,これは。
タツに歯磨きが出来るなんて考えもしなかった。し,どうせ出来ないと思い込んでいた。それなのに,いきなり
電動はブラシで皆と同じように普通に磨きが出来た。
  タツがこれほどまでに私達家族を信頼してくれているという事が証明されたようで,嬉しい。
きっとタツはもっと以前から私達に全幅の信頼を寄せてくれていたのでしょうね。
それをSarubia は自分勝手に「雑種は,,,。こんな年齢では,,,」と,考えて努力をしてみようとも思わなかった。  

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